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世界大恐慌とその後の不況がやってくれば、あなたはこれまでと同じ生活を続けることが難しくなるかもしれない。 なにしろ、世界大恐慌ともなれば中国とアメリカの経済も大きく落ち込むことだろう。
世界貿易も大規模に縮小し、日本の製造業のシンボル的存在ともいえるトョタ、キャノンでさえ利益がほとんどなくなる状況がやってこよう。 ごく一〆般的な日本人と同じ生活パターンや資産の持ち方をしていては、あなたの財産はいとも簡単にこの世から消えてしまうことだろう。
そこでまず、あなたの全財産と生活のパターン(お金の使い方)を点検することから始めよう。 不思議なことに、社会情勢にかなり詳しい人でも、自分自身のことについては無頓着な人が多い。
まず自分の財産(これにはマイナスの財産も含まれる。 つまり、借金のことだ)を総点検し、一枚のリストにしてみてひと晩じっくり考えてみよう。
すでに恐慌が始まったと想定して、あなた自身の支出のリストラをやってみるべきだ。 これまでの支出の二五%を貯蓄に回せるまで生活水準を下げるべきだ。
工夫さえすれば、実質的生活水準をほとんど下げることなしに支出をカットすることができるはずだ。 そのためにもあなたの生活パターンを総点検すべきだ。
バブリーな部分があれば、すべて切り捨てよう。 デフレ(恐慌)時代の財産保全のための最大の鉄則だ。

デフレ(恐慌)とは簡単にいえば、バブル崩壊による資産インフレの逆回転ということになる。 つまり、投機の対象どなった不動産や株の値段がとめどもなく下がるのだ。
ということは、下がる前に売ればよいだけのことである。 この三、四年世界中を取材して回った私の実感では、全世界のバブルはほぼ八〜九合目にさしかかったといってよい。
もうすぐピークに到達することだろう。 株や不動産を、タイミングを見計らって売りはらい、現金で保有すべきだ。
恐慌(デフレ)〆の時代には財産をモノで持たずに現金で持つことが鉄則である。 つまり、恐慌時代を生きのびるための最大の原則は「現金の形で流動性を維持すること」なのだ。
自分の大事な資産を守る手だてとしては、本当に世の中がおかしくなってきたら、自分の全資産を現金化して、まず三○%を最も信頼できる日本で最大最強の銀行の口座に預け、次の五○%を世界一安全で有利な海外ファンドに投入し、最後の二○%を自宅の安全な場所に円と外貨のキャッシュに分けて保管することだ。 前回の大恐慌が教える財産を守る教訓である。
昔と違い、世の中が本当に複雑になった現代において、ある専門分野を一般人が理解しようとすれば少なくとも一○年の歳月と信じがたい努力が必要と恐慌があと、二、三年後に迫っているとすれば、とても問に合うものではそのアドバイザー(軍師)にはある条件がつく。 第一に誠実なこと。
何をおいても大事なことだ。 二番目もそれに劣らない位重要だ。

つまり、単に優秀というだけのアドバイザーではだめで、この二つの危機(恐慌と国家破産)に対応できる特別な知識とノウハウをもっていなければダメなのだ。 そのような特殊なアドバイザー(軍師)など本当に日本にいるのだろうか。
それに対するヒントと答えは巻末の一八八ページに掲載されているので、ご覧いただきたい。 世界で一番お金を殖やした男といえば、ジョージ・ソロスかもしれない。
彼は投機家ともファンドマネージャーとも称せられるが、なんともすさまじいのが、彼が運用していた「クォンタム・ファンド」は、年平均利回り三五%で二八年間も運用されたのだ。 つまり、二八年で元本が四四○○倍になったということだ。
そんなソロスに会った人の印象は「ギラギラした金融マンではなく、物静かな哲学者のようだった』というものだ。 この例からもわかるように、本当に大きな財産を作れる人はあたかも哲学者のような人ということになる?いずれにせよ、単にお金のためやモノのために行動することこそ空しいものはない。
自分の人生哲学、お金に対する哲学を持つべきだ。 そうした人間はどんな時代にも生き残りうる。
欲をいかにコントロールするかということにもつながる。 欲をかきすぎると、全財産を失うことになる。
哲学をもつための早道は、歴史を勉強することである。 人間は先人のまねをするしかないのであり、「教訓」も「哲学」も「生き残りのためのヒント」もすべて歴史の中に存在する。
しかも、歴史を勉強するには二つの方法がある。 それはその時代に生きた人々の人物像から学ぶやり方。
もう一つは歴史の巨大な流れの中からパターン性を見つけ出すというものだ。 前者で一番いいやり方は、司馬遼太郎の小説をすべて読むことだろう。

恐慌とそれに続く国家破産の時代は、一般の日本人が想像するほど生やさしいものではない。 いまの日本人の生活からは想像もできないような出来事が、無数に起こることであろう。
そうした時代を乗りこえるには、『自分はどんなことをしても生き残るのだという強い意志」が必要である。 いまから作るよう心がけておこう。
平時でも健康を維持するのは大変なことだが、激動の時代ともなれば、その心労は並大抵のことではなく、乗り越えるための強じんな肉体が必要となる。あるいは何か不測の事態が起きて気が滅入り、それによって体をこわすこともありうる。 これからやって来る時代こそ、健康が最大の財産である。
しかも、世の中が大きく揺れ動いたときには決断力が必要となってくる。 不動産を売るタイミングや事業に失敗したときの撤退の方法など、重大な決断をしなければならないトキがいずれ必ずやって来る。
そのトキに必要なのが、その気力を支える体力である。 しかも、異常気象でますます健康維持が難しくなってきている。
健康には、コストと手間をかけるべきである。 短期的な視野にとらわれず、恐慌後の三世紀の自分のあるべき姿、投資や金儲けは、単なる守銭奴の悪あがきである。

そこでデフレ時代の財産保全の基本だが、なるべく資産(株や不動産)を売却して、現金(預金も含む)またはすぐに解約することのできる優良ファンドである。 一般サラリーマンは現在の支出の二五%をなんとかカットして貯蓄に回すこと○一家四人が一年間食べていけるだけの現金(いまの日本でいえば四○○万円)を必ず手元に置くこと。
手元に置くとは、信頼できる銀行の普通口座に入れるか、貸金庫に入れておくことをいう。 もしいよいよ事態がアャシイと思ったら、定期預金はすべて解約して普通口座に入れ、すぐに解約できる態勢に資産家(自由にできるお金が一○○○万円以上ある人)の場合はやり方が大分違う。
余裕があるのでかなり長期的視野に立てるだろう。 前半のデフレにも後半のハイパーインフレにも対応できる運用方法がある。
後ほど詳しく解説する「MF」(マネージド・フューチャーズ)だ。 聞いたことがないという人は勉強し直した方がよい。
これこそ、「投資の革命」と呼ばれる究極の資産運用ノウハウだ。 使えば世界がどっちに転ぼうが、つまり、デフレになろうがインフレになろうが、食糧価格が暴騰しようが、株が暴落しようが、利益を得ることができる。
もう少し具体的に説明すると、高度な数学とコンピュータを駆使して全世界の先物をコントロールして儲ける運用ノウハウというわけだ。

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